念願の“朝ラーメン”を食す/ラーメン並木
朝ラーメンを求めて青果市場へ
鹿児島で食べ損じた記憶
朝ラーメンに出会ったのは、人生で2度目。九州のムラおこし雑誌「九州のムラへ行こう」(現在休刊)の編集デスクを務めていたとき、「釜揚げしらす」の取材で鹿児島県志布志市へ。その町に有名な朝ラーメンがあったが、タイミングが合わずに実食できず。
「くー。」
そのときの悔しさを胸に秘め、もう10年がすぎた。
念願の朝ラーメン
山口県周南市に赴任して4カ月目。まちなか活性化のタウンマネージャーとして取材を続けるうちに、「うまい朝ラーメンが青果市場の近くにある」とのグルメ情報を得た。第一級の取材ネタに興奮しつつ、私は折り畳み自転車を走らせ、ラーメン並木へと向かった。
店主こだわりの朝ラーメン
店主「私は職人ではない。」
ラーメン並木に入店し、店主の高松伸也さんを取材した。
自家製麺、自家製スープのこだわりに加え、いかにもラーメン店主の風貌。取材を始めてすぐに、まあ個性的な生きざまであることが分かった。「私は職人ではない。そんな腕はない」と切り出し、自らのラーメン道を語ってくれた。発する言葉が本当におもしろい。
肉でだしをとる
麺は店内の製麺機で作る。なんと、驚いたことに「だしは肉からとる」という。大鍋をのぞき込むと、ミンチ肉のだんごをグツグツと煮だしていた。「こっちの方が安くつく。麺も自分で作った方が安い」。ますますの高松節だ。
6年前に新南陽本店、3年前に青果市場店を開店。今の味に行き着くまでに、計6回にわたり味を変えた。最初は味が決まらず、流行らなかったという。
澄み切ったスープの塩ラーメン
取材は2回にわたり行い、醤油ラーメンと塩ラーメンをそれぞれ食べてみた。
どちらも美味しい。
スープは飲み干せそうなぐらい軽く、自家製の細麺はさすがにうまい。
これに極太麺や冷麺があるのだとか。おもしろい!などと密かに感じつつ、「塩ラーメンは珍しいですね」と問うと、「地元をあんまり好きではないんですよ。塩ラーメンをメニューに入れると、都会感が出る」と高松さんは笑顔で話してくれた。
ラーメンを食べた人にはうれしいサービス
なんと、ラーメンを注文した人には、ごはんとピリ辛ミンチが無料(セルフサービス)だ。おススメの丼にして食べてみた。
「うまか!からか!」
これは初めての触感。独特のうま辛味が効く。額に汗しながら、美味しくいただいた。男性陣が大好きなサイドメニューでは、鶏の唐揚げを試食。
カリッと揚がり、これもまたうまかった。
夢は世界一のラーメン屋
東京、小倉で腕を磨いた高松さん。全国展開のラーメンチェーン店でも働いた。地元を離れたゆえに、地元を客観的に見る目を持つ。
「いずれ何万店舗と店を出し、世界一になりたい。ハンバーガーチェーンのように多店舗展開のシステムを構築したい。こんなことばかり言うから、皆にばか者扱いされていますけどね」
そう笑い飛ばす大将を見ていると、また来ようと決めた。
営業時間/7:00~15:00
※2019年9月1日からは11:00~15:00となります
定休日/年中無休
電話番号/0834-34-1528
住所/周南市鼓海1-324-18