徳山から世界へ!現役女子高生2人組が自力で世界一周に出る理由
Tokuyamap編集長の箭内です。とびきり刺激的な女子高生に出会いました!
2019年10月14日、徳山高校に通っていた2人の女の子たちが世界一周に旅立ちます。思い立ったのは2019年の夏休み、というから驚きです。
2人の名前は、ひなことまなみで「ひなまな」。世界一周に旅立つ理由を聞いてみたら、私まで楽しい気持ちになりました。
ひなまなの二人ってどんな子?
まずは2人をご紹介しましょう。
プロフィール
右:宮崎日菜子(みやざきひなこ)18歳
下松市出身で徳山高校に通う。バドミントン部
左:升守愛美(ますもりまなみ)17歳
周南市出身で徳山高校に通う。元テニス部→軽音部
出会いのきっかけ
2人の共通点は中学から通っていたみかみ塾です。当時は地域が違いましたが、高校生になってクラスが同じになりました。
2人とも塾に遅くまで残って自習することが多く、少しずつ話をするようになります。
この頃に行われた、みかみ塾の韓国旅行をきっかけに2人は急接近します。世界旅行をする2人が初の海外旅行で仲良くなるなんて、不思議な縁を感じます。ただ、このときにはまだ2人とも世界旅行は意識していなかったそうです。
高校2年のときに、徳山高校でも同じクラスになり普段から遊ぶ仲に深まっていきました。
世界一周旅行を決めた理由
そんな2人が世界一周を決心したのは、なんと今年2019年の夏休み!ほんの数十日前です。
きっかけは、ミャンマーとラオスとタイへの7日間旅行でした。
高校3年生の夏休みに3か国旅行へ
ミャンマー・ラオス・タイとは、女子高生の旅行にしては大胆な印象を受けます。きっかけは何だったのでしょうか。
塾の先生との3人旅で3か国を周ることになるひなまなの2人。そこで、日本では味わえない様々な経験や感情に出会います。
住みたいくらいお気に入りに!ラオス進学も検討
実際に訪れた3か国の印象は、ミャンマーは少し暗い雰囲気で、タイは明るい、ラオスは温かい雰囲気でした。
ルアンパバーンは、街自体が世界遺産になっていて街の雰囲気がすごく良いのだとか。ナイトマーケットでは、地元の方が普段からお買い物をするので現地の雑貨や食品が買い物できる魅力もあります。
3か国とも、共通語は英語ではなかったけどもお互いつたない英語で会話を重ねました。その際も、皆が笑顔で対応してくれて、いやな顔をする人はいなかったのだそう。
日本に興味がある人が多くて、日本語を教えてほしいと積極的にコミュニケーションをとってくれる同世代の子も印象的だったようです。
帰国前、タイのドンムアン空港で決心
ラオスのことは気に入ったものの、3か国しか行ってないのにこんな考えになるなら、もっと他の国も見てみたいと感じます。
同行していたみかみ先生から、世界一周旅行を達成した日本の男子高校生の話もその場で聞き、2人は「出来る」と決意。
あとは両親の許可をとるだけだね、と帰国しました。
日本に帰ってきてすぐに行動
帰国するとひなまなの2人は、ご両親に世界一周に行きたい想いをぶつけました。
気になる親の最初の反応は?
女の子2人での世界一周旅行、ご両親は心配し反対したのではと思いきや…さすがこの2人のご両親、そうはなりませんでした。
まなみさんは、母親から
「将来の夢は大学の進学をして、学校の先生になること。と聞いていたが本当にそれで収まるのかと疑問に感じていた。逆に世界一周の話をきいて、それがあなたらしいわと感じて安心した」
と言われます。
現実的な将来設計をする娘と、そんな玉じゃないと思っていた母。そして母が考えていたとおり娘は大胆な行動を選んだ、ということです。
ひなこさんも、ご両親からの時間の使い方について心に残っている言葉があります。
「今、すごくやりたいことがあったら、今出来なくてもきっといつかやる。やらないまま大学進学をして結局大学で実行をするくらいなら、今休学をしてでもやったほうが有意義でしょ。学生の1年間で何をやるかは大事だから」
もちろん、2人の熱量があってこそのご両親の言葉ですが、とても愛を感じます。
こうして、世界一周旅行計画が正式に動き出し2人は自力での実行に動き出すのです。
世界一周旅行の目的を再確認して気づいたこと
一人で世界一周をした男子高校生がいることをみかみ先生に聞いて、その人物についてもtwitterなどで情報収集をしました。当時男子高校生だった彼は、その経験を生かして旅行情報などを扱う起業をしていました。
一番の目的は、ラオスをきっかけに色々な国を知りたくなったことだった2人ですが、自分たちだけが知るのはもったいないと思うようになります。
テレビや人の話だけじゃ分からない他の国の良さを他の人にも知ってもらいたい、そして実際行動に移してもらいたいという気持ちが高まってきたのです。
そこで情報発信のため、まず最初にwebサイトを立ち上げ、2人のSNSアカウントを用意することにします。
情報発信と資金集め
男子高校生が100万円で周っていたので、2人なら200万円は必要だろうと目標を設定しました。
慣れないパソコンでwebサイトを作って、独自にクラウドファンディング用のページを用意します。
なんとかwebサイトにクラウドファンディングの機能を実装しますが、お金を振り込んでくれた人から「エラーが出る」とメッセージが・・・。
焦ってパソコンで調べながら対応しますが、身近に教えてくれる人もいなかったのでとにかく必死。なんとか解決できたが、今思えばそれが最初に感じた壁でした。
現在、(2019年9月14日)74万円まで集まっているが目標は200万円。知り合いづてに広がっているがSNSで全く知らない人も協賛してくれているというから素晴らしいです。
2人への協賛の対価として、旅行中にアップし続けるyoutubeのエンドロールに名前がでることなどを用意しています。3000円から応援可能で個人だけでなく企業からの協賛も出てきているのだとか。
世界一周旅行が終わる2020年6月まで協賛可能ということなので、2人の旅を追いかけながら応援することができます。
サイト上のクラウドファンディング以外にも、地元徳山の商店街のお店などに直接回ってポスターを張ってもらったりアナログの活動も行っています。
世界一周のルート計画は実体験を参考に決定
2人のブログでも紹介されていますが、この9月に109か国を旅したことがある先生が徳山高校に赴任します。2人はそのエピソードを聞いた瞬間、「きたこれ!」と興奮したそうです。
すぐに先生に突撃し、旅行の実体験からお金の使い方や治安のこと、気を付けるところなど多くのリアルな情報を仕入れました。
ルートは、前述の男子高校生やみかみ先生の経験も参考に、自分たちが行ってみたい国も上手く取り入れて計画しています。
- 日本
- 韓国
- 台湾
- ベトナム
- カンボジア
- タイ
- マレーシア
- タイ
- ラオス
- タイ
- インド
- ネパール
- インド
- イラン
- トルコ
- ジョージア
- アゼルバイジャン
- アルメニア
- トルコ
- ブルガリア
- マケドニア
- アルバニア
- モンテネグロ
- クロアチア
- ボスニアヘルツェゴビナ
- セルビア
- ハンガリー
- オーストリア
- チェコ共和国
- ポーランド
- ドイツ
- フランス
- スペイン
- モロッコ
- アルゼンチン
- ウルグアイ
- ブラジル
- パラグアイ
- ボリビア
- ペルー
- エクアドル
- アメリカ
- JAPAN
8か月40か国の旅
大胆さと堅実さのバランス感覚があるひなまなの2人、脱帽です。
旅系youtuberのオフ会にも参加
調査の段階で知った、旅系youtuberのオフ会。twitterで直接連絡をとって詳細を聞き、大阪まで節約のため鈍行列車を使い参加してきました。(片道8時間!)
日本全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席及びBRT(バス高速輸送システム)、ならびにJR西日本宮島フェリーに自由に乗り降りできるきっぷです。
「青春18きっぷ」は、年齢にかかわらず、どなたでもご利用いただけます。お一人での5日間の旅行や5人グループでの日帰り旅行などの「鉄道ぶらり旅」に、ぜひご利用ください。
そのオフ会には、海外旅行を多く経験した人たちが集まっていて、さまざまな体験談を聞くことができました。
そして、夢のある話をきいて2人のモチベーションは最高潮に上がります。
instagramやtwitter,youtubeのアカウントをフォローしあい今も交流が続いているので、youtubeで旅の報告をするのが今から楽しみなんだとか。
最近、学校に休学届を出した
先生は「え・・・?」と固まり、最初はとても心配されましたが2人の考えやwebサイトを見せて想いを伝えて、理解を得ることができました。
「できることは協力するからなんでも聞いてね」というありがたい言葉をもらい、実際にいろいろ調べて共有してくれています。
出発まで1か月、旅の準備は最終段階に
私がひなまなの2人に会ったのは9月14日、出発までちょうど1か月前でした。
旅に必要なクレジットカードを用意したり、2人の口座を作って海外のATMでお金をおろせるようにしたり、保険の手続きをしたり・・・。大人でも大変な手続きを自分たちで調べながら進めています。
旅行中に冬を越すため、荷物が増えすぎないよう持っていくものを選ぶのも一苦労です。
現地で安い洋服を買い足すこともあり得るけども、その際は持ち続けるのではなく旅行中に出会った人にあげるなどして荷物が増えないよう工夫しながら楽しむというポジティブっぷりはさすが!
ふたりから見た徳山・山口・日本
これから世界一周を行う2人は、この街でどんな景色を見ているのでしょうか。
徳山は友達と過ごしやすい街
2人にとって、徳山駅周辺の中心市街地は過ごしやすい場所なんだとか。
と、カフェの話題で盛り上がるのは今どきの女子高生という感じです。今は徳山駅前図書館を使うことも多いそうですが、高校生は移動手段が電車・バス・自転車と様々なので意外と駅近である必要はないだとか。
電車の時刻間隔も広いので、1本逃すと遅刻する。そして電車のある時間だけバスが混むというストレスも…。
それでもこの街は好き、徳山高校生にとって過ごしやすい場所、と笑顔で話す2人に大人としてほっとしてしまいました。
山口県は特徴がなくて海外で伝えるのが難しい
範囲を広げて「山口県」についてはどう感じるのでしょうか。
山口県庁の皆様、旅行に連れていけるミニサイズのちょるるをぜひ2人に持たせてあげてください!
日本はとにかく安全・安心
さらに範囲を広げて「日本」に想うこと。これから8か月間出ていくわけですが…。
東南アジアから帰ってきて感じたことは安全安心で生活しやすいということで、海外のバックパッカーに聞いても日本が1番良いと言うそうです。
日本人は約束を破らない、裏切らないというのが世界から見るとすごいことで、例えば財布を落としても帰ってくるのは日本くらいです。
夏休みの旅行中、トゥクトゥクに乗った時に最初の値段と降りるときの値段が違う、ということも。人を見て平気で値上げしてくる、というのは日本ではありえませんよね。
日本になくてラオスにあるものは?
2人が移住したくなるくらい魅力的な街、ラオス。日本との違いはどんなところにあるのでしょうか?
世界一周旅行に向けて
大変な準備が終われば、あとは出発して旅を楽しむだけ。40か国を周るなんて、想像するだけでワクワクします。
一番したいことは?
楽しみにしている国は?
未成年の2人は、行ける場所・入れるお店に制限があることもあります。大きなチャレンジ中にたくさんのチャンスが訪れることを期待して応援したいですね。
2人から全世代の人に伝えたいこと
女子高生世界1周は日本で初めてらしくて、1番にやる人にしかできないことがあるはずと感じているんです。
厳しい意見や偏見もあると思う、バカじゃないのと言われることもあると思うけど、できる環境があるからやり通したいと考えています。
自分たちは恵まれているから、その機会が与えられるなら、やりたいことは出来るときにやったほうがいいと伝えたいです。
世界1周については、「今じゃなくていい」とも言われるけど、旅をしてきた人には「高校生で気づけたのは羨ましい」といわれるからその言葉を選びたいんです。
今はよくわからないけど、自分たちなら「やってよかった」と思えるはず、何もわからないから感じる価値もあるはずと思っています。
高校生は、進路を決める人生の岐路だから、今やることに意味があると考えています。
タイミングと時間と環境があるならやったほうがいい。
自分の気持ち、信念に従ってやればいい。核をもって。
それを見つけるために旅をしてもいいと思っています。
気が付けばお話しを聞き始めて3時間、2人の行動力と根性に圧倒されながらとても楽しくお話を聞かせていただきました。
私が東京から来た話をすると「東京いいなぁ!」という女子高生らしい反応もありつつ、その目はしっかり未来を捉えていました。
2人の旅はこれから、Tokuyamapは旅の途中も追いかけていきます!
ひなまなちゃん、世界から徳山への情報発信もよろしくお願いしますね!
\ひなまな、ライター始めます/