地方企業ならでは!地域密着型の広告戦略で勝つ
近年、地域密着型の広告がビジネス戦略の中でますます重要視されるようになってきています。それでは、地域密着型の広告とはどのようなものか見ていきましょう。
地域密着型広告の重要性
地域密着型広告戦略とは、地域社会との信頼関係を築きあげながら自社の価値を高め、売り上げにつなげていく広告活動を指します。さっそく具体的な例を見てましょう。
地域密着型の広告の具体例
1.イベントや行事への参加
最初に紹介するのは、地域のお祭りやイベントなどに参加していることをアピールする広告です。人々が集まるイベントやお祭りは、企業にとって絶好の機会でもあります。
お祭りを想像してみましょう。地域の住民には、参加者であるという気持ちと、地元のイベントであるという、行事の所有者にも似た気持ちを併せ持っています。
そのため、お祭りに参加あるいは協賛している企業に対しては好感を持ったり、地域の一員であると評価することができます。社会貢献活動などと並んで、ブランド価値を向上させる効果がありつつ、コスト面や運営面においても手軽な側面があり、費用対効果の高い方法だと言えます。
協賛に必要な金額は様々ですが、必ずしも高額になるわけではありません。一口一万円という低額な協賛を募っているイベントも多数あります。
2.地域特性に合わせた広告の展開
次は、地域の文化や風土に合わせた広告コンテンツを制作するアプローチです。具体的な例として、地域特有の風土や文化とタイアップした広告を作成してみることが挙げられます。
世間的には評価が高くなくても、地域の人々の心に深く関わっている場所や文化は必ずあるものです。それらは、普段はスポットライトを浴びることがありません。
ですが、地元の人には良く知られているために、広告として目に触れる場所に現れると、自然と興味をひくことができます。そして、公共の場で自分たちと関わりの深いものを目にすることは、大きな共感を生むことでしょう。
ただし、自社のサービスや製品を扱う直接的な広告とは異なるので、うまく自社の広告になるように綿密な設計を行う必要はあります。
3.地域情報の提供
地域の観光地や名所、地元のお店やイベント情報などを提供することで、地域住民や訪れる人々に価値のある情報を提供します。住民に有用な情報を発信するので、自然と注目を集めることができます。また、新鮮で意味のあるコミュニケーションを続けていくことができるのも大きな利点です。
それに伴って社名を浸透させ、大きな知名度を獲得していくこともできるでしょう。
4.弊社の活動における成功事例
1.地域メディアtokuyamapの運営
弊社の運営しているtokuyamapでは、地域に密着した情報の提供を定期的に行っています。このサイトは、徳山地域をはじめとする、多くの視聴者の方にご覧いただいております。利益活動という点からみると間接的ですが、まちあい徳山という会社の地域からの信用の醸成につながっています。
2.イベントに合わせたデジタルスタンプラリーの実施
地域イベントの際には、デジタルスタンプラリーを導入し、ライン公式アカウントから配信しました。店舗をめぐり、スタンプを集めてイベントをくまなく楽しんでいただいた方々に対して、景品を用意し抽選を行いました。そして賞品の受け渡しを行いました。非常に好評を博した取り組みとなり、取り組みが終了しても、登録いただいたライン公式アカウントを継続して閲覧していただけています。
3.地域貢献活動と収益の両立
こうした取り組みにより、地域と良好なコミュニケーションを行うことで、各企業に属する個人との絆を強めています。
その結果、第三セクターとしてのまちづくり企業としては例を見ない、地域への浸透を実現し、収益性のある地域貢献活動を可能にしています。
もちろん、こうした有用な情報提供には更新が必要です。そのため、運営コストが懸念点にはなりますが、活動を続ける限りは住民の注目を集め続けることができます。
地域密着型広告で活用できる広告ツール
それでは、実際に地域密着型の広告戦略を検討するうえで、各媒体の特徴を押さえておきましょう。
1.SNS広告
instagram、Facebook、X(旧Twitter)、TikTokなど、様々なSNSが存在します。こうしたSNSによる広告の特徴には、まず精細なターゲッティングが可能であることが挙げられます。性別や年代にとどまらず、市区町村まで選択して広告の適用範囲を細かく設定できます。
費用に関しても非常に柔軟で、予算に応じて広告の量が自動で制限されるため、あらかじめ決めた金額を広告に投入することができます。
小回りの利く、使いやすい広告媒体ではありますが、弱点もあります。視聴者の多くが自由時間を過ごしている状態であり、視聴したいコンテンツを広告に妨げられる、という感情を伴う点です。そのため、ユーザーがストレスに感じにくい広告デザインが求められる傾向です。
2.LED看板広告
弊社は地域内(徳山駅、新地町、橋本町、代々木通りなど)にいくつかの大型LED看板を設置し、自ら広告を出稿するだけでなく、広告主様を募って運営しています。LED看板広告の良い点は、視聴者の多くが移動中であり、広告をストレスなく認識してもらえる点にあります。この点は、SNSよりも優れています。
しかし、広告の露出度が、立地と交通量に依存するので、インターネットを経由する広告のように様々な地域に広く届けることはできません。
コスト面においては、SNS同様柔軟です。放映時間を調整することで、決められた予算に収めることができます。
また、デジタル看板なので広告の差し替えもいつでも行うことが可能です。自社のキャンペーンに合わせて制作した期間限定の広告を出稿したり、いくつも広告を制作して効果測定を行うのも良いでしょう。
3.イベント協賛
徳山駅周辺の大型イベント、徳山商工会議所開催のツリーまつり、夏まつりなどの人気の地域イベントにおいて会員企業に向けて協賛を募集しています。まちあい徳山でも「こどもっちゃ!商店街」や「デジタルスタンプラリー」など地域イベント開催時は地域の企業さまへ協賛の依頼を行います。
協賛についてはすでに記述しましたが、地域住民やイベントの中心者とつながる大変に良い機会であるといえます。コスト面においても小口なものが多く、自社名を地域に露出させる一番手軽な広告手段であると言えます。
ただし、募集枠などに限りがあるので、イベントの開催情報に対して、ある程度アンテナを張っておく必要があるでしょう。
4.ローカルメディア/ローカル新聞
周南地域であれば、弊社のTokuyamap、他にもマイプレ、周南経済新聞、日刊新周南、号外ネットなどがあり、新聞であれば中国新聞、山口新聞、日刊新周南新聞などがあります。
こうしたローカルメディア/新聞はどの地域にも存在します。それぞれが独自の形態で運営しており、リーチする層も違っています。
地域全体に散らばる特定の層にリーチすることができますが、広告料は高めに設定されています。プレスリリースなど通して、無料で取材してもらうこともできますが、そのための話題作りを自社で行っておく必要があります。
5.ローカルテレビ
各地域のローカルテレビ局を通じてCMを流すことも選択肢の一つです。みなさんもご存じの視聴率という言葉に加えて、近年は視聴質ということが言われるようになっています。視聴率の計測に貢献しているモニターの方々も、この視聴質の計測のために、テレビにカメラの設置を許可しているケースもあります。
それによって、誰が、どの程度CMに対して注目しているかを計測し、その解析結果に基づいて新しいCMの在り方が模索されています。そのため、CMを注視してもらうためには、テレビCMに精通した専門家の助けを借りなければ、なかなか良いCM制作が成立しないというハードルもあります。
また、リーチについは圧倒的であり、地域全域にくまなく到達します。また、音声から視聴者にアプローチできることで、他の媒体よりも優位性があります。
ですが、やはりネックとなるのは制作費と放映料でしょう。
6.フリーペーパー/チラシ/DM
周南では、ほっぷ、SUNDAYといったフリーペーパーがあり、広告を募集しています。これらはローカルメディアよりやや高価格ですが、ページ数が少なく、広告を目にしてもらえる確率が高いと言えます。
またチラシやDMなどで、個別に広告を届ける手法に、地域密着型の広告戦略を持たせることで、簡易的な自社メディアの形を持たせることもできるでしょう。費用面も、自社でコントロールできるので、検討したい選択肢ではあります。
まとめ
地域密着型マーケティングは、地域社会との結びつきを強化し、顧客ロイヤルティの向上やブランド価値の向上につながる強力なツールです。企業や地域ビジネスが地域社会との関係を深め、持続的な成長を実現するために、ぜひできることから実践してはいかがでしょうか。