FirstSaturday in 周南で展示される車「μ-1.331」の正体とは?
このたび、FirstSaturday周南にμ-1.331もお邪魔させていただく事となり、とても楽しみにしています。
さて、一般の皆様におかれましてはμ-1.331ってなんぞや?というのがこの時点で浮かんでいるはずです。こちらにつきまして、この場をお借りしましてご説明させていただこうと思います。
はじめにNL-1331ありき
Ingressというゲームには実は公式のバックストーリーが存在します。
ゲーム内の趨勢はストーリーに反映され、またストーリーの変化はゲーム内にも影響を及ぼします。ただただ陣取り合戦をするだけのゲームじゃないのです。
そのストーリー内にて、登場するのがNL-1331という車両です。
暗殺されたローランド・ジャーヴィスの遺体を運んだ車両は彼から放出される大量のXMに被爆し、その結果ポータルとなり…とこのあたりは公式ストーリー本をご覧頂くとしまして、このNL-1331、なんとゲーム運営を行っているNIAが実際に制作し、ゲームイベントにて実物を拝むことができるのです。
こういった実物を作ることで仮想現実のリアリティを向上させるあたりはさすが元Googleといった所です。
このNL-1331は世界中を巡り、各地のエージェント(プレイヤー)を楽しませているわけです。2018年からアジアツアーも始まり、2019年は3月に広島→京都→長野→埼玉と4会場でその姿を見ることができるでしょう。
μ-1.331はNL-1331のパロディー
μ-1.331は開発にあたり、「ひと目でわかるパロディー」を目標としました。
見た瞬間に( ´,_ゝ`)プッとなるようなやつを、です。
名前は小さいものを示すμ(マイクロ)と、小さいので数字を1/1000して1.331に。そしてチョロQのような可愛らしさを出すためと、価格も安い子ども用の足漕ぎカーを改造することとしました。
しかし、ただデフォルメしたはだけでは芸がありません。日本のお家芸といえば小さいながらも詰め込まれたテクノロジーというやつです。
本物のNL-1331を研究してみた結果、それに無いものを搭載しようと考えました。
その結果、レースカーのようなステッカーにミサイルスイッチ連動のLEDヘッドライトや音声反応型の車体下電飾、自爆ボタンなど、お子様用カーですから子供のときにやってみたかった夢みたいなのを詰め込んでみました。
そしてもう一つ大事な要素として、子供にも楽しめるものという要素があります。
Ingressエージェントの年代には小さなお子様を連れている方も多く、イベントに一緒に来ているのを見かけたことがあります。
だけど、街歩きなどは子供にはちよっと早いのか、少しつまらなさそうにしていたり…そんなわけで、少しでも子供が楽しくなれば親御さんも連れ出したかいがあるってもんです!
ところで、なぜそんなものを開発しようと思い立ったのでしょうか…?
ピンチはチャンス、開発秘話
何故、こんなものを作ったのか?
発端は2018年のNL1331アジアツアーの候補地投票でした。
公式がSNSで「来てほしいところある?投票してね!」とエージェントに問うたところ、石川県金沢市の21世紀美術館が投票で一位となりました。
ささけんが住む北陸のエージェント達は公式イベント誘致!と両陣営ともに意気込み、日に日に増える投票数にエージェント達は心躍らせておりました。
しかし、公式のルートが発表されるとその中に金沢の名前がありません。なにかの手違いかと思いましたが、その後訂正もありません。
後で分かったことですが2月の北陸は雪があるからと言うのが理由らしいのですが、フォローも特に無いのはいかんぞ、公式よ。この理不尽な行為は多くのエージェントの心に傷を残し、コミュニティに嫌な空気が流れておりました。
一方、時同じくして、雑コラ(雑なコラージュ画像)職人でもあったささけんは「こんなNL-1331が来たら嫌だ」というテーマでお子様用カーのNL-1331雑コラを作っておりました。
そして先の嫌な空気を察するや否や閃き、立ち上がりました。ピンチはチャンスだ、「来ないなら 作ってしまへ ホトトギス」そう宣言したのです。
こうして、2017年12月、不要になったお子様用カーを譲り受けたささけんはそれまでガンプラぐらいしか作ったことはありませんでしたが開発という名の試行錯誤をスタートさせました。
そして2018年1月27日、雪が深々と降る中、金沢市民芸術村に集いし北陸エージェントにより完成式典が執り行われ、μ-1.331はここに誕生しました。
これは日本にNL-1331が日本に初上陸するよりも前の出来事でした。
さぁ、これで迎撃体制は整ったぞ。
日本中を駆け巡ったμ-1.331
作って終わりじゃない、乗って楽しめるμ-1.331。そして子ども用の車ながらも実は色々と強化してあり、大きなお友達でも乗って楽しめるようになっていました。
この楽しさは伝えなければ!
ネタが新鮮なうちに攻勢に出るぞ!ということで、公式イベントにデビューしたのは2018年2月11日のNL1331名古屋ミートアップでした。
会場の真ん中に鎮座するNL-1331、そしてその隣には本物の技術屋集団のXM工業さんが手掛けた車両、XMIIVが。
そしてその2台と向かい合うブースにガンプラテクノロジーに毛の生えた程度の技術で作られたμ-1.331が。クオリティの差は離れていてもよくわかります。
そこに白衣を着て立つ私ことドクターささけん。この時、とても胃が痛かった。だってあっちがカッコいいんだもん(笑)
しかし、ここまで来た以上引き下がれん、お子様だけでも楽しませて帰るぞ!と思ったその時でした。
「あ、ちっちゃいのいた!可愛い!」
そう叫んだエージェントが居ました。その一言にどれだけ救われただろうか。
そしてXM工業さんも荷台に乗せて写真撮りましょうとお声がけいただき、本当に嬉しかったです。それから沢山のエージェントがμ-1.331ブースに訪れ、乗った写真を撮って楽しんでいかれました。もちろんお子様にも大人気。何度も乗らせてと遊びに来てくれました。
名古屋のイベントで学んだことは大変に大きかったです。
実は、本物は当然ながらおさわり禁止。当たり前な話なのですが、ただ眺めるってのはどうも微妙なもんです。
それに対してμ-1.331は乗る・かぶる・轢かれるといった小ささを活かした多彩な楽しみ方ができます。さらにはチームステッカーを作ったりすることの多いIngress、μ-1.331には自分たちのステッカーを貼ってOKなのです。
エージェント発のものならば、エージェント達の手によってアップグレードしていこう、その考えからです。その場にて一緒に考えながら貼る場所を決めてアップグレードしていき、これを繰り返すことで多くのエージェント気持ちを乗せて旅する車となるのです。
そんなわけで、薬局の前の100円で動く乗り物的なポジションの確保に成功したμ-1.331。
そして厄年なささけんの禊として、少しでも多くの人が笑顔になればとの事で積極的に全国各地のIngressイベントに参加しました。
また公式・非公式イベント問わず送料負担のみで無償レンタル可能ということもあり、南は鹿児島(なんと、飛行機で輸送)から北は札幌(ヤマト便で送れちゃう)まで日本中を駆け巡り、この度のFS周南でなんと16ヶ所目となりました。
各地にて、お子様から大きなお友達をはじめ、ゆるキャラ、ポケGoのUIデザイナーの人、さらには某有名アナウンサーまでたくさんの方にご乗車いただき、有難き幸せにございまする
μ-1.331の今後
実はIngress、全世界がプレイフィールドなため、海外にもエージェントは存在します。
昨年のNL-1331アジアツアーでは海外にもμ-1.331シリーズの開発を呼びかけ、なんと台湾で2号機が誕生しました。なんとこちらはラジコン制御とのこと!こりゃ負けておれんぞと、より海外に広めると言う建前のもと、実はリサイクルショップで2000円でお子様用カーが売っていたことから3号機を開発・完成させました(笑)
まだ海外からオファーはありませんが、ドクターささけん自ら布教に行こうと考えています。
また、最初に完成したμ-1.331初号機は一年間のドサ回りから電装系にガタが来ているため、現在はType.R(リカージョン)に改造中です。
色んなエージェントから海の上行けとかトランスフォームしろとかだラジコンにしろとか内燃機関積めとかご要望をいただいておりますが、前向きに検討させていただきました結果、無理です(笑)
ですが、ダークXMの力を利用すべくモジュールの開発を急いでおります。FS周南で初お披露目できるよう、頑張らねば!