Ingress周南 日本がドボンした日。そして繰り返すドボン。後編




半年ほど前、2019年3月23日開催のアノマリー(陣営戦)が発表されました。
会場は東京。アノマリー名はダルサナプライム……え?ダルサナ???
ダルサナといえば、劣勢を勝利に導いたあの超巨大コントロールフィールドです。でっかい三角こそIngressの華。
ということで「もう一回あの巨大コントロールフィールド作ろう」と話が出るのは自然の流れでした。
しかし最近のアノマリー戦闘ルールには「フィールドを覆うコントロールフィールドに加点」という要素はなくなっており、むしろ「そんなの作ったら運営が消すからね」と明言されている状態…
ならば日付ずらして「あ!アノマリーの日を間違えました」でいこうかな?
幸いIngressの世界では国境は存在していないため、世界中でアノマリーは開催されております。
2月23日はフィリピンのケソン他数都市でダルサナプライムアノマリーが先行開催される日。
ならここでやりましょう。となりました。
作戦を行うとなると、全国各地で突端の灯台ポータルや離島に人を配置し、既存のリンクをカットし、リンクの通る道を空ける必要があります。
当然山口も日本海側の道を空ける必要があります。
陸地沿いはまだ何とかなるとして、何よりポイントは日本海の見島と相島です。しかし、ここで懸念が。
この時期の日本海は荒れて船の就航率が良くないのです。当日波が荒れて相島に行けませんでしたと言えば、このためにグアムや中国青島に行っているエージェントたちがどれほどがっかりすることか…
ここで山口では事前に必要な下準備をする計画を立て、エージェントが1週間前に相島に渡り、代わりに角島から1000キロ先の北海道の奥尻島にロングリンクを打ち込みました。
角島からのリンクは中国青島ー襟裳岬のラインにクロスするのですが、まぁ誰かが当日までに切ってくれるでしょうという見込みです。(実際その日のうちに切れました。)
作戦の1週間前。ここで暗雲が立ち込めました。
この時期なのに台風が発生し、作戦当日にグアム直撃との報が入ったのです。まじか…となっていましたが、天候ばっかりは仕方ない。事前にポータルの色を緑にして、最悪グアムには人がいなくてもいいような状況に変更となりました。
そして作戦当日。
全国各地の島にエージェントが飛び、各地の島からもたらされる「俺の食べた最強の刺身定食」戦争が起こる中、作戦決行の時間になりました。
グアムの作戦使用ポータルがある公園は、やはりというか暴風雨で立入禁止。グアムに飛んだエージェントは、立入禁止の公園入口から作戦を見守るだけのお仕事となりました。
午後1時15分。
韓国の孤島から、グアムへリンク(リンクは交差できないので、事前に敵に邪魔されないリンクを張るのです。)直後に宮古島の緑リンクが反転され(ウイルスという希少価値アイテムを使うことで、同陣営のリンクを消すことが可能です。これを反転って言っています。)、中国青島とグアム間に邪魔リンクがない状況になります。
1時20分。
根室岬からサイパンにリンク。同時に、根室から小笠原諸島へ出ていた青リンクも壊して、万難を排して襟裳岬からグアムへ長距離リンク。
1時25分。
津軽海峡で北海道青森エージェントが躍動し、数ある海峡間リンクを全カット。
日本海の番人出雲エージェントが北海道への常設リンクを次々に反転、山口県エージェントが最後に見島ーウラジオストク、見島ー北海道奥尻島のリンクを反転して日本海の蓋を空けます。
そして発射される2本の長距離リンク。
その瞬間、日本は緑色の巨大コントロールフィールドに覆い隠されたのです。
全国各地、というより東アジアオセアニア各地に散らばったエージェントから一気にもたらされる喜びの声。ドーパミンが一気に噴き出す瞬間です。
そして再開される飯テロ。本場の中華から始まって、日本全国のごちそう。台風のせいでちょっと残念な感じのグアム飯を目の当たりにするのです。
面白いのは、こうやって1つの作戦を成し遂げ、喜びを共有する大勢のエージェント、実際には会ったこともない人が大半なのです。
もっと言えば日本人ですらないこともあり、使用言語もバラバラだったりします。
ただ、会ったことないみんなのために、自分ができることを果たそうという思いはみんな一緒です。友情にも似ていて、実際みんな仲はいいですが、それより「信頼しあう仕事仲間」という言い方が正解に近いでしょうか。
そしてそれは友情よりも実は希少価値のあるものなのかもしれません。
Ingressには多様な遊びがありますが、こういう楽しみ方もあるんですって話でした。
そして、あなたも行ってみませんか?見島・相島へ。