島の歴史 -三ツ石の採石場-
はじめまして!
一般社団法人磊ノ島代表の渡邊です。
大津島に生まれ、大学で島を出て、7年前に帰ってきました。
私なりの島の紹介をして行けたらと思っています。
そこは、長いこと住んでいるのに、知らなかった場所の一つです。
大津島刈尾港から左に10分ばかり歩くと、高く切り立った断崖を右手に見ることができます。
そこは「三ツ石」と呼ばれる採石場です。
大津島の採石の歴史は古く、この三ツ石では明治の終わり頃から花崗岩(御影石)の採石が行われ、多くの島の人々が作業に携わって来ました。
長い年月をかけて削られた山肌は大きくそそり立つ断崖となり、私は子供心に、その圧迫感に恐怖さえ感じたものです。
採石場という事もあり、そこへ立ち入る事など思いもよらなかったのですが、昨年、移住者の松田(現磊ノ島専務理事)の案内で、初めてそこへ足を踏み入れました。
中野石材(現中野グラニット)の入口から敷地内をしばらく歩くと、目の前に高い断崖と、そしてその下に広がる青い湖。
採石用に掘った10メートル以上の深い穴に、雨水が溜まってできた人口の湖ですが、崖で切り取られたような青い空、花崗岩の灰色と湖の青のコントラスト、その美しさに息を呑みました。
同時に、この歳になるまでこの島に住んでいて、なぜこんな場所を知らなかったのか、そんな自分にも驚いた事です。
こんな場所が探せばまだまだあるのかもしれませんね。
そして、それを見つけるきっかけは、「外から島を見る人」の力なのかもしれない。
ところで、なぜこの場所を三ツ石と呼ぶのか。長く島にいながら、それもまだ知りません。
次の機会の、宿題にしたいと思います。
写真・文 渡邊
一般社団法人磊ノ島
大津島を拠点に次代へ向けた地域活性化を目的とし、島内・島外メンバーの連携により運営。2019年4月活動開始