『周南たこ』に逢いたくて│初の「競り」取材へ
初めまして。広報コンサルタントの平義彦と申します。
4月、周南市中心市街地活性化協議会タウンマネージャーとして着任しました。以前、九州で新聞記者や雑誌編集の仕事を経験。
一発目の取材ネタには、瀬戸内の海の幸「周南たこ」を選びました。
同じく海の幸豊富な長崎市出身ですが、実は、子ども時代は魚が苦手で。船に関する仕事に就く祖父、父から「なんで魚を食わんとか!」と怒られ、さらに魚嫌いに。ただ、タコとエビだけは食べることができました。
そんな苦い記憶を思い出しつつ、周南市地方卸売市場水産物市場(晴海町)に向かいました。
活気ある魚市場。旬の魚介が各地から続々と
午前5時30分。まずは山口県漁業協同組合周南統括支店・原田晃治業務部長を訪ねました。
「水産物市場に集まる魚介がどこでとれたものか」
「競られた魚介はどういうルートで消費者に届くのか」
と質問すると、この水産物市場は周南市周辺の各漁港から魚介が集まり、地元消費が主であることや人気のフグ、ハモ、タコは都会の市場にも送られていることなどを教えてもらいました。
タコの水揚げ産地は戸田(へた)
競りは午前6時から。その前に、魚を競り落とす「買参人(ばいさんにん)」に交じってきれいに並べられた魚を品定め。ブリやサワラ、タイ、ヒラメ、アジなど多種多様な魚がいます。「おっ!」。いた、いた。いましたよ、「周南たこ」。これは、うまかに違いない。
本場明石にも送られる
このタコは周南市西部の戸田地区で水揚げされたもの。タコは浅場の岩礁に生息し、伝統的なたこつぼ漁で漁獲する。産卵期の秋の約1カ月間は禁漁。漁業者の後継者不足や漁獲減少など先行きは依然として厳しいが、新規就業者もいるという。
買参人の一人で、「周南食の会」の伊藤博之会長は「周南たこはうまい。激流で身が締まっているし、よいえさ(カニや二枚貝など)を食べて育っている。あの明石にも送られているよ」と誇らしげだ。
「周防はも」も最盛期
午前6時。競りが始まった。これまでいろんな魚市場の競りを取材してきたが、競り人の掛け声などに地域性がにじみ出ておもしろい。ここは比較的聞きやすい方だった。原田部長が競り人を務める。やはり、この時期はハモも多く水揚げされており、これまたうまそう。
念願の「たこ天」を実食
取材後、どうしても「周南たこ」を食べたくなりました。銀座商店街の漁師めし酒場「灘や」(銀座2丁目)へ。大将おススメの「タコの天ぷら」をいただきました。コリコリ感がものすごく、まさに、かみごたえあり。これは「うまか」。瀬戸内の味覚。幸せな気分になりました。